テスラ蓄電池 販売店の本音
テスラ社の蓄電池「Powerwall」 機器代金の合計99万円(税別)!!
(内訳:Powerwall本体82.5万円、サポートするハードウェアBackupGateway16.5万円)
「蓄電池の価格破壊!!」と話題ですね。
今回は、この「Powerwall」について
消費者・販売(工事)店
双方の立場で考えてみたいと思います。
【消費者】
<テスラ蓄電池の魅力(価格)>
蓄電容量13.5kwhの為
本製品の工事費別 本体単価は「7.3万円/kwh」です。
安いですね(笑)
一般住宅に多く使用されるリチウムイオン蓄電池の相場が
「20万円/kwh~」と言われている為
3分の1近い金額であることがわかります。
更に、テスラ社のHP上には「おおよその設置費用40~55万円」と
明確に表記されている為
消費者にとっては明確な基準となり、「最大でも99+55=154万円(税別)で設置できる」
とわかる為、非常に検討しやすいと思います♪
また、この「Powerwall」ですが、非常に高性能です。
<テスラ蓄電池の魅力(性能)>
全負荷型 かつ 50A(5kVA)の高出力
蓄電池には「特定負荷型」と「全負荷型」の2種類があります。
Powerwallは「全負荷型」です。
特定負荷型は、蓄電池の供給は決まった回路先にしか電気は送られませんが
全負荷型は、家全体の回路に電気を送れる為
非常に便利です。
わかりやすく、簡単な例でみていきます。
≪例:特定負荷型の場合≫
特定負荷型の場合、蓄電池との接続先(電気の供給をできる先)として
[条件:3つの子ブレーカーまで。合計15A(1.5kVA)まで。]
などという条件があります。例えば、
①冷蔵庫の子ブレーカー ②リビングの子ブレーカー ③洗面所の子ブレーカー
という3つを選択したと仮定します。
するとどうでしょう。
実際に停電が起こり、蓄電池に貯めた電気を使いたい!となった時、①~③は使えます。
但し、合計15Aという条件がある為
仮に冷蔵庫とリビングにあるテレビや照明を使用しており
その状況で更に洗面所でドライヤーを使用したとすると
「バチンッ」とブレーカーが落ちてしまいます。(ドライヤーの大半は1200w=12A。ドライヤー以外の電化製品で3A以上使用するとアウト!!)
更に、条件に[100V対応]となっていれば、もちろん200Vは使用できません。
(リビングエアコンやIH、エコキュートの多くは200Vです。)
その為、使用するには慎重さが必要となります。
(そんなに重く捉えなくて良いですが(;・∀・))
特定負荷型 商品例
・長州産業 ソラトモ(6.5kwh)
・ニチコン (4.1kwh)
・SHARP (4.2kwh、8.4kwh)
・Panasonic (5.6kwh)
・ループでんち(4.0kwh) 等・・・
≪例:全負荷型の場合≫
家全体のブレーカーに電気が流れます。
なので、特定負荷型と違い、使用できる回路を選択する必要がありません。
つまり、リビングでも子供部屋でも、洗面所でも使用できます!
そして条件も[30A(3kVA)まで可。200V対応]など
特定負荷型に比べ、非常に使い易いものが多いです。
(ちなみにPowerwallは50A(5kVA)の高出力!!)
なので、IHやエコキュートを使用されているオール電化住宅には
断然こちらをおススメします!!(笑)
全負荷型 商品例
・田淵電機 アイビス7 (14.08kwh、7.04kwh)
・NF回路ブロック スマートスターL(9.8kwh)
・ニチコン (12kwh)
・長州産業 へやまる (9.6kwh)
・デルタ電子 (11.2kwh)
・テスラ Powerwall (13.5kwh) 等・・・
【販売(工事)店】
<利益率の悪さ>
通常蓄電池と言えば、メーカー小売希望価格○○〇万円(工事費別途)
となっていることが多いと思います。
が、このテスラ社は違います。
「機器代金の合計99万円(税別)。おおよその設置費用40~55万円。」
と明確に謳われてしまっています。
販売する側としては「1件あたりの最大利益が決まってしまっている」という訳です。
具体例を出してみたいと思います。
他社の蓄電池では「メーカー小売希望価格300万円。仕入れ130万円、工事費40万円(内、人工代+材料費20万円。工事店利益20万円)、販売価格(工事費込)200万円」で販売した場合、<販売・工事>の利益は50万円になります。
(消費者は、原価を知らない為、販売価格200万円なら仕入れ値は150万円くらいかな~などと、勝手に推測してくれるはずです。)
これに対し、Powerwallの場合(仕入れ値が値引かれるのか不明な為、公表価格で試算)は、「仕入れ値(本体)82.5万円、BackupGateway 16.5万円、工事費40万円(人工代+材料費20万円。工事店利益20万円)、販売価格(工事費込)154万円」で販売した場合、<販売・工事>の利益は35万円です。
この他にもしかすると販売登録店手数料(加盟店料)として、販売(工事)店→テスラ社へ納める費用がかかるかもしれません。
その為「利益 35万円」というのは、あくまで「最大利益」であって
仮に施工の手直し等発生してしまったら、工事店は赤字になることも考えられます。
そうなると、削るところとすれば「工事代(人工代)」となり、職人からの不満が蓄積され、仕事の効率が悪くなってしまうかもしれません。
(まぁこれは、この製品に限らず薄利の場合には起こり得る事ですが(^_^;))
要するに、他社ではメーカー希望小売価格が高めに設定してくれている為
販売価格帯にも幅を設けることができ、利益を出しやすいですが
テスラ社の場合、メーカー公表価格がそもそも安い為
販売価格帯が限られてしまい、利益が出しにくくなってしまいます。
(消費者に販売価格の内訳を読まれやすくなってしまいます。)
そうなると、結果的に「儲からないなら、あまり積極的には販売したくない」という心理が働いてしまうのではないでしょうか。
あくまで素人の憶測ですので
さらっと流して頂ければ幸いです。(;・∀・)
【まとめ】
消費者には嬉しい、販売(工事)店には厳しい
そんな商品だと思います。
【日本のテスラ蓄電池 認定施工会社】
・㈱光設備(愛知県津島市)
・㈱SIソーラー(東京都中央区)
~2020年春の販売開始予定~